花畑に頭を上げ
吹き渡る風を
動きゆく雲を
移りゆく季節を 知らせる
ダリアは 花の見張り役
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【花の見張り役】 |
歩き 歩く 道はつづく
誰ぞ 先に行き示すか
迷い迷って 先を失い
心弱く 引き返すか
人生は 皆 一人未知
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【一人未知】 |
池畔の夏草がゆれ
赤トンボが涼しげに止まる
それは夢の中か 記憶の中か
熱い風が目眩を誘い
イメージはさらに曖昧になる
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【夏の習作】 |
斜光に浮かぶ睡蓮
水面は文字盤か
静かに伸びる影が
今日の一日を刻み
日々の上に重ねてゆく
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【陰りゆく時】 |
帰り道だというのに容赦なく
渋滞と言う名の退屈は
ブレーキばかりを踏ませる
陽は西に傾き沈んでも
車は前に進むことを忘れたままだ
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【帰り道】 |
空は冴えない色なのに
何処へ向かって走るのか
アクセル 踏まれるアクセル
載せた荷物は何 何なの
行く先に希望はあるのか
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廻る季節 廻る時
いつの間に 蕾をつけ
いつの間に 花弁を開いたか
暑さの中に ムクゲが咲いた
猛暑を生きる知恵をくれ
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【密やかに】 |
風の中に熱を感じる時
空は青味を増し
季節は容赦なく暑さに向かう
紫陽花が最後のエネルギーで
健気に 力一杯咲いていた
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【梅雨の終わりに】 |
知らぬ間に
青い空が広がり
紫陽花が 風にゆれる
花のすき間から
暑い夏がのぞいていた
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【夏を感じて】 |
色彩に魅せられて
再び シャッターを押す
太古より連なる
永遠の美 蓮の花
今年こそ その秘密を写したい
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【魅せられて】 |
梅雨の晴れ間の 一時
花々がメロディを奏で
噴水がリズムを刻む
そこは 夏を彩る舞台
美しいハーモニーが聞こえる
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【夏のハーモニー】 |
ぶら下がる裸電球
汚れた柱と壁
光が部屋を映せば
思惟する者には
そこに団欒が見える
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【古民家の茶の間】 |
そこは 土間の一角
裸電球に照らされて
浮かぶ古いかまど
かつて暮らした人々の
喜怒哀楽が染みていた
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【古民家のかまど】 |